加齢黄斑変性
加齢黄斑変性とは
疾患名にある「黄斑」とは網膜の中心・直径約1.5ミリの範囲を言い、物を見るにあたって一番重要になる部分です。加齢とともに、この黄斑の働きに異常が起こり、視力が低下する疾患が加齢黄斑変性です。
年齢とともに網膜色素上皮の下に老廃物が蓄積してきた結果、直接あるいは間接的に黄斑部が障害される病気です。
加齢黄斑変性の分類
加齢黄斑変性症には、大きく分けると「滲出型」と「萎縮型」の2種類があります。
「萎縮型」は網膜の細胞と脈絡膜が徐々に萎縮していき、網膜が障害され視力が徐々に低下していく病気で、残念ながら萎縮型には現在のところ治療方法がありません。
「滲出型」は、黄斑の脈絡膜から網膜に向かって、異常な新生血管(脈絡膜新生血管)により網膜が障害される病気です。新生血管はもろくて弱いので、容易に出血したり血液中の水分が染み出たりします。そのため新生血管ができると、網膜がはれたり、網膜下に液体がたまったり、出血を起こすことで、網膜が傷害され視力が低下します。
加齢黄斑変性の治療
いくつかの治療法がありますが、現在、治療の中心は抗VEGF薬による薬物治療です。その他、光線力学的療法(PDT)などがあります。
抗VEGF薬硝子体内注射
脈絡膜新生血管の発生には血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)が関係していると考えられており、VEGFを阻害することにより脈絡膜新生血管を退縮させる治療法です。
点眼麻酔と消毒をした後、硝子体内に抗VEGF薬を注射します。
注射前後3日間は抗菌剤の点眼をしていただきます。
費用は、70歳以上の方は、窓口での上限があり、1割負担だと12,000円程度、3割負担だと44,400円程度です。70歳未満の方(3割負担の方)は約55,000円です。