福岡西つつみ眼科

日帰り白内障手術

白内障とは?

白内障とは、目の中のレンズ(水晶体)が年齢とともに白く濁って、目の奥(網膜)に光が届きにくくなるために、かすみや視力低下が起きる病気です。

白内障の症状

  • かすんで見える
  • 光がまぶしく感じる
  • ぼやける
  • 視力が低下する
  • どんなに調整しても眼鏡があわない

といった症状が見られます。

白内障手術を受けるタイミング

見えにくくなり、日常生活に不自由を感じた時が、白内障手術を受けるタイミングの目安です。
日常生活に支障が出ていない初期の場合、視力の低下や目のかすみが日常生活に支障がない初期の段階では、点眼治療を行います。ただし、点眼薬は水晶体が濁るスピードを遅くするもので、薬を使用しても濁った水晶体が透明に戻るわけではなく、あくまで白内障の進行を抑えることが目的で、症状を改善したり視力を回復させることは出来ません。

日常生活に支障が出てきた場合、白内障が進行すれば、眼鏡を合わせても視力が出にくくなります。
「本やテレビが見えにくい」「仕事や運転に支障が出るほど視力が低下した」「視力が低下して運転免許が通らない」「外がまぶしく感じて外出しづらい」など、日常生活に不自由を感じるようであれば、手術を行います。
基本的に、手術をするかどうかは本人のご希望なので、視力が悪くても手術を希望されなければ手術をする必要はありません。逆に、視力が良くても、かすみを取りたい方、遠視や乱視が強くて眼鏡を手放せない方で、眼鏡をかけずにすっきりみたい、などのご希望があるときは手術が可能です。

白内障手術について

白内障手術とは濁った水晶体を「眼内レンズ」に置き換える治療です。
手術時間は通常10分程度で、麻酔をするため痛みはほとんどありません。

白内障の手術では、濁った水晶体を超音波で砕いて取り出す手術(超音波水晶体乳化吸引術)を行います。
以前は10mmほどの大きな切開が必要でしたが、最近ではわずかに2~2.5mmの切開で手術が可能です。
当院では目の手術での痛みの軽減のため、十分に麻酔を行い、丁寧な手術を行っております。手術は通常10分程度(個人差があります)で終了しますので、日帰りでの手術が可能です。
また、血液をサラサラにするお薬(抗凝固剤)を内服中でも、お薬を中止せずに手術が可能です。

白内障手術の検査機器の進歩

白内障手術の検査機器も進歩しています。
当院ではすべての白内障手術において、白内障手術ガイダンスシステムVerion(ベリオン)を使用しています。

白内障手術の検査機器や眼内レンズの進歩もめざましいものがあります。最新の器械であるアルコン社製の白内障手術ガイダンスシステムVerion(ベリオン)を使って、術前に一人ひとりの目の形状を詳しく分析することで、それぞれにあった最適な眼内レンズを選ぶことができます。また手術中は、そのデータを元に最適な切開位置などがガイドされ、より正確で精度の高い手術ができるようになりました。

眼内レンズの種類

眼内レンズも日々進化しており、一人ひとりのライフスタイルに合わせた眼内レンズの選択が可能です。

日本ではまだまだ単焦点眼内レンズが主流ではありますが、眼内レンズも日々進化しており、新しいものがでてきています。例えば、乱視がある場合は、乱視用眼内レンズの登場によってある程度矯正可能となってきました。当院でも乱視が一定以上ある患者様には、見え方の満足度向上を目的として積極的に乱視用眼内レンズを導入しております。
また最近では、単に視力が良くなるだけではなく、遠方から近方まで広範囲に眼鏡なしで見える様々な種類の多焦点眼内レンズ〈リンクを貼る→多焦点眼内レンズ〉の登場により、一人ひとりのライフスタイルに合わせた眼内レンズの選択肢が増えてきています。
多焦点眼内レンズや乱視矯正の白内障手術では、ベリオンが精度の高いガイドを行い、力を発揮してくれます。

単焦点レンズと多焦点眼内レンズの見え方の違い

単焦点レンズと多焦点眼内レンズの見え方の違い

単焦点眼内レンズ

単焦点眼内レンズは1ヶ所にしかピントが合いませんが、はっきり見えます。
ライフスタイルや元々の屈折の状態に応じて、手術後に眼鏡なしで一番みたいピントがどこなのかを手術前に決める必要があります。

  • 遠方に合わせる
    運転などに適しますが、近くを見るには眼鏡が必要です。
  • 近方に合わせる
    読書などに適しますが、遠くを見るには眼鏡が必要です。
  • 中間に合わせる
    遠くも近くもまあまあ見えますが、遠くや近くをはっきり見るには、遠方と近方の眼鏡が必要です。

多焦点眼内レンズ

多焦点眼内レンズはピントが2ヶ所以上に合うレンズで、できるだけ眼鏡なしでより快適な生活がしたいというニーズに応えるために開発されたレンズです。
注意点としては、ややピントが甘かったり、夜間にハロー(光の周辺に輪がかかったように見える)、グレア(光が延びて見える)などが起こりやすく、夜間に車のライトがまぶしく感じられる可能性があります。レンズによってはそれらが改善されています。

日帰り手術のメリット

日常生活のリズムを変えずに手術ができるため、身体・精神的負担が軽く済み、特に高齢の方におすすめです。
大学病院や総合病院などの入院設備のある眼科で行われている白内障手術は入院手術が多いですが、当院のような眼科クリニックでは日帰り手術が一般的となってきました。入院すると通院回数が少なくて済みそうですが、白内障手術の場合は、入院と言っても1泊2泊程度ですので、通院回数はさほど減りません。
白内障手術自体は、入院による術後管理は必要ありません。大事なのは、術後の点眼がきちんとできて、定期的に術後の診察をきちんと受けることです。それができていれば、高齢の方や、糖尿病や高血圧などの全身疾患があっても、通院が可能であれば通常は日帰りで手術は可能です。
日帰り手術の大きなメリットとしては、日常生活のリズムを変えずに手術ができるため、身体・精神的負担が軽く済みます。また、入院手術と比べると、外来通院だけで済みますので費用が安くなります。

手術費用

単焦点眼内レンズ

健康保険の適応
3割負担 片眼 約40,000円
70歳以上の方
非課税世帯 8,000円
1割負担 15,000円
2割負担 18,000円
3割負担 42,000円
  • 上記の金額は目安となります。 高額療養費制度により同月内に支払った医療費(他病院との合算・世帯での合算を含む)が自己負担限度額を超えた場合に適用となります。 詳しくはご加入の保険者(社会保険の方は保険証記載の保険者・国民健康保険の方は各市町村窓口)へお問い合わせください。

多焦点眼内レンズ

自由診療・選定療養の適応
準備中 準備中

手術前後のスケジュール

手術までの流れ

  1. 診察して、白内障手術の適応があるか確認します。
  2. 術前検査
    (ハードコンタクトレンズ装用の方は術前検査の1週間前、ソフトコンタクトレンズ装用の方は3日前から、正確な検査ができるようにコンタクトレンズ装用を中止していただきます)
    術前検査を行う日に、基本的にご家族の方も一緒に、手術についてご説明致します。
  3. 手術3日前から感染防止のための術前点眼薬(抗菌薬)を点眼していただきます。
  4. 手術前日までに、お電話で来院時間をご案内いたします(手術は火曜日と木曜日の午後になります)。

手術当日

  1. 指定の時間にご来院下さい。
    ※手術後は眼帯をしますので、車の運転をして帰宅することは出来ませんのでご注意ください
  2. 散瞳薬の目薬など手術の準備をします。
    ※40分~60分くらいかかります
  3. 手術をします。
  4. 手術終了後、眼帯をして、帰宅になります。
    ※手術当日は来院から帰宅まで、1時間半~2時間くらいかかります。

ご帰宅後

  1. 自宅でゆっくりお過ごし下さい。
    ※通常の家事や読書、テレビを見たりすることは大丈夫です。
    ※入浴、洗顔、飲酒はしないで下さい。

術後の通院について

術後2~3日間は連続で受診して頂きます。その後は1週間後、2週間後、1か月後に診察を行います。定期検査では、主に合併症が起きていないかを確認します。
白内障手術は短時間で成功率も高い手術ですが、合併症が全くないわけではありません。頻度は0.1%以下とごくまれですが、術後細菌感染を起こしたり、目の奥に大出血を起こしたりすることが報告されています。
合併症を起こさないためにも、術後は点眼をしてもらう必要があり、定期検査も必要です。

術後数ヶ月から数年してかすみが出てきたり、視力が落ちてくることがあります。眼内レンズを入れている袋(嚢)が濁ってくる(後発白内障といいます)とこのような症状が出ますが、簡単なレーザーでその濁りを散らすことで元の視力に戻すことができます。

術後の生活の注意点

手術翌日 術後3日目~ 術後2週目~
気をつけること 目に水やホコリが入らなければ大丈夫です。 通常の生活に戻ってかまいません。
可能なこと テレビ・読書・散歩・炊事 洗顔・洗髪・入浴・掃除・散髪・髪染め 温泉・銭湯・スポーツ・畑仕事・庭仕事